草津白根山（群馬県・草津町）の素晴らしい景色を山のガイドブックで見て以来、 一度ハイキングに行きたいと思っていた。 草津白根山は、白根山（標高２１６０ｍ）、逢ノ峰（標高２１０９．９ｍ）、本白根山（標高２１７１ｍ）の 三山の総称として呼ばれている。草津白根山は活火山で、頂上付近は有毒ガスが発生するため立ち入りが規制 されているが、山頂近くからは素晴らしい眺望を楽しめた。

草津白根山は東京から行くにはあまりアクセスが良いとは言えないので万座温泉に前泊することにした。 前日の朝、圏央道の高尾山ＩＣから関越を経由して上信越道の碓氷軽井沢ＩＣまで行き、 軽井沢から鬼押ハイウエイ、万座ハイウエイを経て万座温泉を目指した。 翌日、万座温泉のホテルからハイキングのスタート地点の「草津白根レストハウス」駐車場までは１５分位で着いた。

「草津温泉観光協会」のＨＰで幾つかのハイキングコースを紹介されているが、その中の「本白根山コース」を 歩くことにした。レストハウスの駐車場から逢ノ峰の山頂を越え、「白根火山ロープウエイ山頂駅」から旧火口の縁まで登り、 旧火口の縁を時計と逆周りに周遊するコースだ。今回は妻が同行した。

駐車場から２９２号線を横断すると、最初に向かうロープウエイ山頂駅迄の３つのコースがある。 右から逢ノ峰を迂回する車道。逢ノ峰のピークを越えていく遊歩道。逢ノ峰を左から巻く遊歩道。 右からの車道では、駐車場とロープウエイ山頂駅間をシャトルバスが運行しており自由に利用できた。 妻は平坦な車道を歩き、自分は逢ノ峰ピークを越えて山頂駅を目指すことにした。

遊歩道は、緩やかな登りを少し登ると綺麗に整備された木の階段となりとても歩きやすい。 休憩する間もなく逢ノ峰のピークに着いた。頂上には東屋が建っており、展望デッキからは 北側には湯釜、西側には眼下に弓池、遠くには北アルプスの山並みがとても綺麗だ。

逢ノ峰のピークから少し下るとリフト（運休中のようだ）が現れた。 遊歩道はリフトから右に離れて向かいの山のリフト乗り場の方へ下って行く。 やがてロープウエイ山頂駅付近が一望出来るようになった。 逢ノ峰を下りきると、遊歩道はリフト乗り場の脇を通り右手の方に緩やかに登って行く。 リフトを利用すると１０分位時間短縮出来るようだが、今日は遊歩道を歩く予定だったが。・・・・・

逢ノ峰から車道へ下りきったところへ、車道を歩いてきた妻が到着した。予定変更でリフトで一緒に上ることになった。

リフトを降りて１０分程歩くと旧火口の縁に出て、一気に展望が開けた。 目の前には旧火口が広がり、その斜面にはコマクサのお花畑が広がっている。 また反対側の火口の縁には展望台が聳え、その右手には「遊歩道最高地点」や立入禁止になっている本白根山のピークも 望むことが出来る。素晴らしい眺めだ。！

遊歩道は旧火口の縁から旧火口の中へと下って行く。周囲にはコマクサが群生している。 残念ながら見頃の時期は過ぎていて花は元気がなかった。７月頃が見頃のようだ。 暫く行くと遊歩道は２つに分岐する。直進すると「遊歩道最高地点」がある万座方面へのルートとなり、 左に折れると旧火口の縁を回ってロープウエイ山頂駅方面に戻るルートになる。 直進して「遊歩道最高地点」を目指す。

「遊歩道最高地点」への遊歩道は左から右に大きく回り込み緩やかな斜面を登る。

「遊歩道最高地点」から観た旧火口周辺の景色を楽しんだ後、 先程直進した分岐点まで引き返し、展望台を目指す。

遊歩道最高地点から展望台への分岐まで引き返し、分岐を右に折れ、少し急だが 綺麗に整備された木の階段を上ると展望台に着く。展望台からは南側の軽井沢方面の 景色が特に綺麗だ。また近くのハイマツの林にホシガラスの群れが現れて、綺麗とは 言えない声で騒いでいた。

展望台から旧火口の縁を東（草津方向）に進むと遊歩道はハイマツ等の低樹林の中を進み 展望は効かなくなる。「ロープウエイ山頂駅まで２．０ｋｍ」の案内板を過ぎて少し行くと 右下に鏡池が見えてくる。 「鏡池」の案内が立っている場所から５分位で湖畔に着く。

鏡池を過ぎると、遊歩道は急な斜面を東（草津側）に向かって一気に下る。 傾斜がきつい場所は木道が整備されており歩き易い。 斜面を下り切ったところに、左は「ロープウエイ山頂駅」、 右は「富貴原の池経由殺生方面」への分岐があり、ここを直進気味に左折する。

分岐点を過ぎると遊歩道は東斜面を巻くようにロープウエイ山頂駅に向かう。 やがて、右手の樹間からロープウエイが見えてくるようになり、急傾斜の沢を渡ると ロープウエイ山頂駅に到着する。

ロープウエイ山頂駅から妻はシャトルバスで駐車場に向い、自分は逢ノ峰の右（東）側を 巻いて駐車場に戻る遊歩道を歩いて駐車場に向かった。

本白根山コースを一周し、予定通りの時間で駐車場に戻った。レストハウスの広場では 楽しそうなイベントが行われていた。

一旦、車に戻って軽装になり、湯釜の展望台に向かった。 展望台に向かう遊歩道は人の列で溢れていた。ロープウエイで上がってきた観光客の 列がそのまま展望台まで続いているようだ。 湯釜の展望台へ向かう遊歩道から湯釜と反対側（西側）には白根山と万座方面の綺麗な 景色が広がっていた。

湯釜の展望台に到着すると間もなく東から厚い雲がやって来た。湯釜の上を通って 展望台に吹きつけるため硫黄の匂いが凄く、また雷雨になりそうな雰囲気だったので 大急ぎで駐車場に下山した。

熊との遭遇
無事に草津白根山のハイキングを終了し、草津白根レストハウスを後にした。 ２９２号線を草津から大津に向かって走っていると、対向車線に真っ黒な動物が 立ち止まり、こちらの車線の車の列が途切れるのを待っていた。 視界に入った瞬間は黒い犬かと思ったが、犬にしては大きすぎる感じだ。 近づくと、なんと熊だった。証拠写真を撮りたかったが後続車が沢山続いていたので そのまま通り過ぎたが、集落の真ん中で熊が堂々と歩いている様は異様だ。 山の中での遭遇でなくて良かった。！！